2015年3月12日木曜日

ビズ・アサーティブ〜クレドを使って分かりやすくする



現代の会社の寿命はわずか三年とも言われています。だからこそクレドが必要だと言えます。

ほとんどの人、特に男性は「なにをするか」に関心はあっても、「どうあるべきか」には関心が薄いものです。しかし「なにをするか」は「どうあるべきか」から生まれるものです。

子供が生まれたばかりの両親に、子供の将来のために「どうあるべきか」、どんな価値観を教えたらいいのか?などと考える余裕はないのが一般的です。差し当たってどうするかを考えるだけで精いっぱいです。

同じように、創業時に、会社の将来のことまで考える経営者はあまりいないものです。目の前の問題を処理することに追われて、会社の価値観について検討する余裕はないからです。資金の豊富な大企業の場合は別にして中小企業の経営者の大半がそうです。

しかし、親にしろ経営者にしろ自分の子供が誕生したその日から、無意識のうちに自分の信念を子供に植え付けようとしています。いったん子供や社員が価値観を吸収してしまったら、それを変えるのは容易ではありません。だから<正しさ>が重要です。

同業であっても、 企業文化というものは、想像以上に違うものです。その違いは明らかに業績に直結していますが、それに留まらず、何事についても、まず反応が違うので行動にも違いがあり、結果の違いに至っています。そのプロセスを変えるのは不可能ではありませんが、極めて困難です。結果的にはこれが致命傷になる場合もあります。ところが目先の利益に追う人が多いのです。

クレドを「利益を生み出すサービス・スローガン」のように使っている事業所が目に付きます。最初の導入では、理解不足から完璧を求めるより、「やってみる」ことが必要な場合もありますが、早期に是正をしていかないと、失敗してしまいます。

三年間、間違った価値観で会社を運営したら、その基本的理念を変えるには同じだけの時間がかかります。これを早期に変更するのもクレドの効用です。

「お客さま満足」と「ステークホルダー満足」の似ていて非なる点に留意し、目的を確かにして、戦略的にクレド活用を進めていきます。クレドは印刷して配布すれば完了ではなく、開発と改良を重ねていくことが欠かせないのです。

どこの会社にも額縁に入った企業理念や社是が目に入ります、その多くは創業者が自らの想いを文字にしたものです。事業経営には始めに理念ありきと考えた証しです。ところがその理念が浸透されているかというと殆どの経営者は自信なさそうです。おそらく創業後、しばらく経過した時点でお考えになられたものと推測します。経営理念や社是が重要だと気づかれた頃には、すでに色のついた水を飲むしかない状態だったのでしょう。

経営者、幹部社員は、会社の発足当初から、社内文化や価値観、指導理念を組織に浸透させなければなりません。それが会社の方針や雇用、経営戦略を決める基盤になるからです。トップであろうと幹部社員であろうと、毎日仕事をするに当たって一番大切なのは、会社の価値観をほかの社員、とくに色に染まっていない新入社員に啓蒙することです。冷静に利益の源泉を考えるなら、企業の規模にかかわりなく、正しい社内文化を確立しなければ成功はないからです。

新しい事業を始めたときには、会社の将来にいかに重要な影響を及ぼすかまでは、分からないものです。どの決断が大事な基盤になるのか知ることはできないのです。いずれの決断も時間が経つほど重要度を増して来ますが、それは後になってみなければ分からないのです。

つまり、いかなる価値観を植え付けるかという問題を決して軽んじではならないということです。いま適当な価値観で過ごしても、過去の業績の上に乗って過ごすことはできます。しかし、必ず今日の態度の結末を数年先に迎えます。誰もそれから避けて通ることはできません。数年先に素晴らしい結末を手にしょうと願うなら、今日の態度を優れたものにするしかないのです。

それを具現化するには夢、目的が必要ですが、利益にしか関心がないと疎かになり、夢、目的のなさ、曖昧さが致命傷になってしまうのです。
経営者と幹部では仕事の仕方が全く違います。それに注目しない零細、中小企業が多いのは、事業体の規模が小さいほど経営者の権力が強いからです。特に2世、3世といった経営者の場合、現実のプロセスを知らない裸の王様になってしまう構造的な宿命があります。

現実のプロセスを知っている人ほど、クレドの重要性を知っています。共有するものがないと真のコミュニケーションができないからです。社員を採用するときも、社内の人との間にも同じ情熱、意欲、目標を持つ人物を選ぶことが必要です。そういう人たちと一緒に目標を追求すれば大きな力を発揮できます。関係先の企業との間にも同じことが言えます。

実際に、優れた人をたくさん目にする会社には、(呼び名は違っても)クレドが存在しているという共通点があります。

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