2015年3月13日金曜日

ビズ・アサーティブ〜遠くにあるものを引き寄せる。



企業理念やお客様満足をテーマにしたスローガンは巷に溢れていますが、「ステークホルダー満足」でお分かりのように<ビズ・アサーティブ>で提唱するクレドはそれとは違います。

お客様満足をテーマにしたスローガンとクレドとの決定的な違いは、スローガンと比べてクレドの方が圧倒的に文字数が多いことで全く別物だと理解できます。

その理由は、スローガンが事業体の視点でしかないのに、クレドを活用する<ビズ・アサーティブ>がステークホルダーの視点に立っているからです。ステークホルダーの視点に立つことで関係性を重んじることが現実になります。

そもそもアサーティブは類似語も含めどれも<関係性>にこだわっています。

  • 【アサーション Assertion】遠い関係のものが近づくようにする活動
  • 【アサーティブ Assertive】自他ともに大事にする表現をする
  • 【アサーティブネス Assertiveness】自他ともに大事にされた実感の持てるWIN-WINな関係性

もともとは遠く離れている関係性をWIN-WINの関係に近ずけることこそ、<ビズ・アサーティブ>の目的です。ですからステークホルダー(利害関係者)つまり経営者、お客様、恊働する従業員仲間、従業員の家族、取引先、協力会社、地域社会、株主らの視点でどうすれば競争優位に立てるかを見据えて、それぞれの立場の満足を追求します。

利害関係者、競争優位という言葉から、反射的に儲けの追求と思う方も多いでしょう。しかし、結果として増収増益があるにしても、そのためにアサーション、アサーティブ 、アサーティブネスが必要なわけでもありません。経営者の満足とお客様の満足は違います。従業員の満足も違いますが、家を支える柱がなければ家を建てられないように、WIN-WINを支える柱がなければWIN-WINは実現できません。

それぞれ利害が敵対した状態で、「ステークホルダー満足」を実現するには、競争優位の追求つまり増収増益を核に据える必要が生じます。なぜ増収増益でなければならないのか、その理由はステークホルダー各位の視点に立ってクレドを作成していただくと分かります。ステークホルダー各位の視点に立たないアサーティブな関係は時間と共に消滅してしまいます。

ここが重要な点ですが、アサーティブを個人のメンタルなスキルアップの問題と捉えていると、元来のノン・アサーティブ(非主張的)な態度が出てきて最終的にはウヤムヤになります。

次はノン・アサーティブ(非主張的)な態度がもたらす失敗例です。

・言いたいことが率直に言えず、相手のぺースに陥り交渉が実らない。
・交渉で緊張から、要領を得ない説明になり、不調に終わってしまう。
・苦手意識が働いて「NO!」が言えないため、相手の言いなりになっている。
・プレゼンのとき、頭の中が真っ白になり、予定したように話せなくなる。
・朝礼のスピーチで、すべってしまい毎回落ち込んでいる。
・上司に納得してもらえる説明ができず、イライラとモヤモヤに苛まれる。


なぜこんな風になるか。あるいは、こういうことはどうでしょう。

・相手をコントロールしようとして、気持ちが高ぶり、まとまる話もまとまらない
・相手の依頼を受け入れることができず怒らせてしまう。
・部下を注意するとき、感情的なり、怒った後、いやな気分になり自分を責めてしまう。

こちらは、アグレッシブ(攻撃的)な態度のため、失敗する例です、

どちらも、自分と相手にとって好ましくない態度です。

アサーティブになれない背景には、
・大事にされたい気持ち
・必要とされたい気持ち
の空回りがあります。

個人が成長するにはリーダーシップと同じく「大義」が必要です。大義つまり方向性となる北斗七星がないと、様々な事態に揺れ動いてしまいます。リーダーシップと大義は切っても切れない関係にあるものです。ダッチロール状態に陥った事業体(または家族)にリーダーシップが働いていないことが共通しています。

この大義に相当するのが<ステークホルダー満足>です。大義は社会に役立つ、人々を幸福にするなどですが、ステークホルダーごとにWINーWINの条件を設定していくと、増収増益が必要になることがわかります。株主がそうだし、地域社会もそうです。恊働する従業員仲間、従業員の家族を想定するだけでも分かるでしょう。

さらにWINーWINのプロセスに、応援されることが必要なことも分かります。共感、共有なしに目的にたどり着かないことも分かります。つまり「どうして売るか、儲けるか」だけに集中している事業体では「お客様満足」を唱えながら事実上ステークホルダーと敵対関係に陥っている矛盾を抱えていますが、ステークホルダーごとにWINーWINの条件を設定して目的にする場合には矛盾を超える作業が必要になります。するとアサーティブになれない背景にある、大事にされたい気持ち、必要とされたい気持ちは実は敵対関係と表裏一体だと分かります。

ステークホルダーからすれば、「立場が逆だろう」と思える状態にあり、都合の良すぎる話でしかないのです。これだけをとっても、すでに競争優位に立つことは未来永劫不可能な差別化できない状態にあることが分かります。お客様満足を唱えながら、どんどんお客様から離れようとしている実態が明白になります。実際はノンアサーティブな状態なのです。


ステークホルダーの傍に寄り添うように立ってこそのビジネスなのです。クレドを活用して全従業員でそれを現実のものにします。その態勢に入った段階で、成功は約束されたも同然なのです。

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