2015年3月31日火曜日

ビズ・アサーティブ〜心の病とイノベーション



精神疾患をかかえた副操縦士によるドイツの格安航空会社墜落事件は世界に衝撃を与えていますが、メンタルヘルスの低下は日本でも増加の傾向にあります。その原因のトップは「職場の人間関係」で30%を超えています。以下「仕事の問題」「職場環境の問題」が続いていて、本人や家庭など個人的な問題は大きな割合を占めていません。職場に於ける「心の病」の大半は職場に潜んでいるのです。そこには「心の病」予備軍がいることに注目しなければなりません。

精神的な安心感が高くなければモチベーションを引き出すことは難題です。人材を人財といってみたり人への関心は高くなっているように見えます。個の尊重も当たり前のように思えます。しかし就活している若者がその段階から、先取的なイメージのある大企業でさえ、ほとんどの会社から「個の尊重が感じ取れない」と訴えているように、大多数の人が建前にすぎないと感じているのです。

イノベーションを起こせずらい原因も、人材の資質と知恵を活かしきれていない、人をマネジしすぎる体質にあります。このため見えない防御が過剰に働いていてモチベーションを引き出せないのです。人材重視と言いながら人のマネジに重きを置きすぎ、環境のマネジをないがしろにしすぎる傾向が強いようです。

従業員を「ともにやる」真にパートナーに見立て、元気になれる、やる気になる、仕事に集中できる環境を整備することが重要すぎるほど重要なのです。

組織になにかを導入しようとすると、制度、施策が必要になりますが、どのような場合でも制度、施策は目的ではなく手段に過ぎません。手段は目的を達成するに後押しをするサポートでしかありません。ところが頑張っている内にいつの間に目的化してしまい、肝心の「パートナーが働きがいのある会社」になかなか届かないので意識と乖離した建前になってしまうのです。

会社にとってパートナーとは、新しい価値を生み出す源泉です。実際、イノベーションのはじまりは現場での「業績改善への挑戦」という正しい葛藤から生まれています。PDCAの繰り返しから誕生した小さな成果をすくい上げて、企業の知恵にまで高めているのが本社、本部なのです。本社、本部は差別化を実現するイノベーションが起こりやすい、沸き立つモチベーションが起こる、環境を整備することこそ本分だと心得、挑戦的な風土創りに邁進したいものです。




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